FROM ME TO YOU

oh my bizarre life !!

「変身」を読了

変身 (角川文庫)

変身 (角川文庫)

ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。

部屋で探し物をしていたとき、ふと目にとまって勢いで再読してしまいました。短編(中編?)小説なのでさっと読めるのはいいですね。

ザムザが変身してしまった「虫」とは。変身した意味とは。

僕は特に代わり映えのない解釈ですが、「醜く、役に立たないもの」を表しているのかなと思っています。 病気や事故といったこと後天的なことが原因で身体もしくは精神的になんらかの変化が起きてしまい、部屋の中に閉じこもってしまうような変化がおきてしまったことを「虫に変化した」と解釈すると、あまり違和感なく読むことができます。

執筆された1900年代初頭だと介護や福祉といった概念も希薄でしょうし、同じ家族といえど心身に大きな変化があればザムザの家族のような対応になってしまうのも無理はないのかなと思いました。

僕が考察するにはかなり難しい作品でありますが、定期的に読み返したくなる魅力のある作品だと思います。

ちなみにザムザが変化した虫の姿は作中では「馬糞虫=フンコロガシ?」として表現されているのですが、僕はどうしても手塚治虫の「ザムザ復活」の印象が大きすぎて芋虫の姿で読んでしまいます。
カフカは表紙をデザインするときに「絶対に虫の姿を描かないでくれ!」と注文したらしいですし、どういう姿の「虫」なのかは読者の想像にまかされているようですね。

皆さんはどんな「虫」を想像されましたか?

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