「ひとかどの男」
- 作者:マックス・A. コリンズ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/07
- メディア: 文庫
「私は、それだけのことに見合う、ひとかどの男になれたのでしょうか」
プライベートライアンは冒頭のノルマンディー上陸作戦や激しい市街地戦の描写が有名ですが、個人的にはラストのライアンの独白が一番印象に残っています。
戦争が終結して50年。自分を助けるために死んでいった仲間達の墓前で「戦争が終わって何十年もたち、家族もできました。仕事も一生懸命頑張りました。私はひとかどの男になれたのでしょうか。それだけのことに見合う人生を送れたのでしょうか」とライアンが独白するシーンです。
若い頃はそこまででもなかったのですが、最近になって「自分はひとかどの男になれているのだろうか」と思い返すことが増えてきました。
妻と3人の子供にも恵まれ、仕事やプライベートも色々ありながらも充実した毎日を送っています。自分で言うのもなんですがとても幸せな人生を送れていると思います。
ただ、身の回りが充実すればするほど「もっとできることがあるのではないか」「もっと頑張らないといけないのではないか」という気持ちが頭から離れません。
焦っても仕方がないことですし、自分のできるペースで頑張るしかないのですが・・・
心の底でずっと感じているこの焦りのようなものをうまく消化し、前向きな行動に変えていける人間になりたいですね。
願わくば最後の瞬間に「ひとかどの男になれたなぁ」と思えるような人生を歩めたらと思います。