FROM ME TO YOU

oh my bizarre life !!

原田 曜平 「ヤンキー経済」 マイルドヤンキーってなんぞ

「若者がモノを買わない」時代、唯一旺盛な消費欲を示しているのがヤンキー層だ。だが、ヤンキーとはいっても鉄パイプ片手に暴れ回る不良文化は今は昔、現在の主流はファッションも精神もマイルドな新ヤンキーである。本書では密着取材とヒアリング調査により、「悪羅悪羅系残存ヤンキー」「ダラダラ系地元族」に分化した現代のマイルドヤンキー像を徹底解明。「給料が上がっても絶対地元を離れたくない」「家を建ててはじめて一人前」「スポーツカーより仲間と乗れるミニバンが最高」など、今後の経済を担う層の消費動向がわかる一冊。

インターネット系メディアやTwitterはてな界隈で「マイルドヤンキー」という言葉を目にしだしたのはここ半年くらい前からでしょうか。

その言葉を見るたびに「なんだよ地方在住民を馬鹿にしやがって東京のエリート様はよー!」とルサンチマンを爆発させていたわけなんですが、原書も読まずイメージだけで判断するのもよくないと思い、手にとってみました。

コトバンクによると。マイルドヤンキーの定義とのこと。

マイルドヤンキーとは - コトバンク

地元に根ざし、同年代の友人や家族との仲間意識を基盤とした生活をベースとする若者。現代の一般的な若者の志向とされる都市部集中、車離れ、晩婚化、少子化とは異なる経済活動や行動様式を持つと定義され、仲間と同乗して車を使い、地元企業に勤めて週末は幼なじみとショッピングモールに出かけるなど、行動エリアが半径5キロメートル以内で完結するという。

ただ、本書ではあくまで「ヤンキー的なファッションや行動をベースに上記のような行動パターンを取る人達」と定義しているようで、上の条件に当てはまる=マイルドヤンキーではない気がしています。 僕がマイルドヤンキーかどうかは置いておいて、どうやら僕はマイルドヤンキーと16号文化圏を勘違いして捉えていた様子。

本書では「ヤンキー」と呼ばれる人たちの時代の流れに伴う変化(ビーバップハイスクールろくでなしブルースのようなヤンキーから木更津キャッツアイ池袋ウエストゲートパークのようなチーマー的ヤンキーを経て、今は特に悪さをするわけでもなく、仲間内でつるむだけの"マイルド"なヤンキーになっているらしい)や、その人たちの消費行動(パチンコ、車、スマホゲー、カラオケ…)について、多少の偏見を感じるものの、具体的に例があがっていました。

さらにマイルドヤンキーこそがこれからの消費の屋台骨だ!と論じていたのですが、どうも「取れるところから取ろう」という魂胆が見え見えで、結局こういう考えがスマホゲーのガチャであったりパチンコやスロット、リボ払いなんかを加速させてるんだろうなという印象を受けました。

マーケティングのためにはある程度のカテゴライズやタグ付けは必要だと思うものの、それが蔑称になりつつある気がしてなりません。

結局、ヤンキーやDQNという呼び名を「マイルド」にしたのが「マイルドヤンキー」なんだろうなぁというのが結論ですね(笑)

とりあえずマイルドヤンキーという意味を理解できたので読んだかいがありました。 次は16号文化圏について読む予定です。他のヤンキー文化論系書籍はもういいかな。