- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/10/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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アニメの影響からすっかりハマってしまった物語シリーズの15作目。 10月23日発売でしたが、近所の本屋がフライング販売してたので閉店間際に駆け込み購入し、その日のうちに読んでしまいました。
発売すぐの作品なのでネタバレなし(ちょっとあるかも)で書きますが、とりあえず今作はこれまでの物語シリーズと違って、「怖い」作品になっていると思います。
もう本当に。素直に怖い。 久しぶりにページをめくるのが怖くて怖くて仕方ありませんでした。
ホラーや猟奇的で怖いということではなく、明るく楽しい作品が暗く、重くなる怖さといいましょうか。 MOTHERシリーズをプレイした方ならわかるかもしれませんが、開始しばらくはポップで明るい物語だったのが、終盤に差し掛かるにつれて登場人物の台詞は少なくなり、雰囲気や町並みも重く暗くなっていく…そんな感じです。
怖さの原因は表紙にもなっている忍野扇ちゃんの不気味で、暗くて、黒くて、不思議なキャラクターにあるのは間違いないのですが、主人公である阿良々木暦がページをめくる毎に「壊れていく」のがわかるのです。 塗り替えられていく、という感覚に近いかもしれません。 作中で「五分前仮説」がでてきましたが、物語シリーズという作品そのものが扇ちゃんというキャラクターに乗り換えられていくかのようです。
後半、扇ちゃんと羽川委員長との頭脳戦めいたやり取りがありますが、これまでスーパー超人として描かれていた羽川委員長をあっさりと下してしまう辺り、登場人物の枠をこえたメタ的存在なんじゃないか?と疑ってしまいます。
残すは「終物語・下」、「続・終物語」の2作を残すだけとなりましたが、「上と下の間に中が挟まないように頑張ります」とあとがきにもありましたので、もう少し続くのかもしれませんね。 作品は終わってほしくないけれど、続きが気になる…そんなジレンマを抱えながら「終物語・中」を心待ちにしたいと思います。