FROM ME TO YOU

oh my bizarre life !!

「ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~」を読了

ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。それは、この世に存在していないはずの本――横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。 どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは、元華族に連なる旧家の邸宅。老いた女主の死をきっかけに忽然と消えた古書。その謎に迫るうち、半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。 深まる疑念と迷宮入りする事件。ほどけなかった糸は、長い時を超え、やがて事の真相を紡ぎ始める――。

金田一シリーズで有名な横溝正史の「雪割草」と「獄門島」を扱った本作。とても面白かったです。

2017年に横溝正史の幻の作品である「雪割草」が発見されたのはニュースで知っていましたが、雪割草が発見される前の「2012年」と発見後の「2021年」を二部構成にして現実社会の事件と絡めて描いているところは見事の一言でした。雪割草の前後編の間に入った「獄門島」の話が単に扉子の日常エピソードで終わらないあたりも膝を打つ気持ち良さがありました。

作中でも書かれていましたが、時間を経ての二部構成は金田一耕助最後の事件である「病院坂の首縊りの家」のオマージュといえますし、これまでのビブリアシリーズでは一番の傑作なのでは?というくらい気に入りました。

特に栞子さんが主役の一部より、二人の子供である扉子が主役の二部の方が面白く感じるのはきっと僕にも年が近い娘がいるからでしょうね。もちろん扉子ほどではないですが、娘も本が好きなので、がっつり感情移入してしまってます。

次のⅲは扉子が活躍する話になるそうですし、次巻がとても楽しみです。

www.nishogakusha-u.ac.jp

ソフトウェアデザイン 2020年11月号 を読了

認証・認可に関する仕事に携わることになったので入門がてらに読んでみました。

特集

今さら聞けない認証・認可

認証と認可とは

  • 「認証」はIdentifierとクレデンシャルを利用し、「本当に本人か?」と確認する。「認可」はそのユーザーにどういった権限を与えるか。
  • 個人を表す要素(デジタルID)
    • ID(Identifier)・・・ユーザIDなどの一意の値
    • 属性(Attribute)・・・名前や性別等のユーザー別の情報
    • 認証属性(クレデンシャル)・・・属性の中でもパスワード等の認証に使う物
  • 例えばAWSやAzureのRBACなどは認可をロールで持ち、管理するもの。
  • 認証方式は段階がある
    • ユーザーの記憶によるもの(Something you know)・・・パスワード等
    • ユーザーの所持しているもの(Something you have)・・・USBトークンやワンタイムパスワードなど
    • ユーザーの身体的なもの(Something you are)・・・指紋や顔認証
  • konw>have>areと強度は強くなる。二要素認証は複数の要素(knowとareなど)を組み合わせる。パスワードと秘密の質問などは両方knowなので「二要素」ではなく「二段階」

認証認可のフロー

  • ソーシャルログイン(馴染みの機能なので割愛)
  • FIDOはちょっとよくわからなかった
  • OAuth2.0は認可の仕組み。例えばTwitterログインはTwitterのログイン画面が出てくるので認証はTwitterが行い、認証したトークンを使ってAPIを利用する。
  • OpenIDConnect1.0はOAuth2.0をベースに、認証の仕組みを追加したもの。OAuth2.0で定義されていなかったIDトークンが定義化された。OpenIDプロバイダについてはよくわからなかった
  • ActiveDirectoryなどのSAMLケルベロス、AzureADなどのIdp Initiatedは馴染みがあった。
  • ログインしたら色々なSaaSサービスのログイン画面が表示されるIdPポータルは一度使ってみたいなと思う。
  • SAMLプロトコルXML、OpenIDConnectはSON

ID管理技術

  • SSOしたいWebサービスにエージェントを埋め込む方式や、クライアントPCにエージェントをインストールする代理認証方式は理解できたが、リバースプロキシ方式はリバースプロキシそのものが理解できていないのでよくわからなかった

安全な認証認可への取り組み

  • NIST SP800-63では認証認可のプロトコルに「どのレベルで本人確認したか」「どういった手法で本人確認したか」が定義できるらしい。ドコモ口座の例もあるので本人確認レベルが定義できる必要性は高まってきそう。
    • IAL1:検証に関する要件なし
    • IAL2:対面もしくは非対面で検証
    • IAL3:対面で検証
  • その他、FIDOやFAPI、保証レベル選定など少し難しい話題が続いたので軽く読み飛ばし
  • 自分の財布から免許証のカードを出して提示のように、必要な時に必要なだけ証明書を提示する「自己主権型アイデンティティ」は面白そうな考え方だなと思った。

Flutterモバイルアプリ開発

モバイル開発は完全に素人なので軽く読む。アプリを起動したままコードの変更ができる「ホットリロード」は便利そうだけど、ネイティブのUIコンポーネントが使えないのはデメリットとして少し大きそうな印象。

AndroidiOSでデザインが揃えられるのはメリットが大きそうですが、他アプリやOSそのものとデザインコンセプトの差異がありそう。 そのあたりは大丈夫なのかなあ?

小特集

ソフトウェアの高速化

こちらも仕事で少し興味がある分野なので読み込んでみましたFPGAなどの低レイヤに関する話題が多かったように思いますが、調査⇒分析⇒検証⇒改善の開発フローはついつい流しがちになる基礎的な所なので意識していきたいと思いました。

独自ドメインDNS選択等

マネージドDNSAWSのRoute53など)について軽く触れた記事でしたが、ほぼ初心者の僕にはとくても勉強になりました。
なるほど、ドメインだけとってAWSレジストラに登録すればいいのか…

ネットワークの基礎知識(2)

ネットワーク層についてのあれこれ。ICMPとかARPとか。馴染みの単語があってほっとしました。

パズルで鍛えるアルゴリズム

オセロを題材にしたゲームアルゴリズムの解説。興味はあったけど力尽きた・・・

MySQLアーキテクチャの探求

読まずに飛ばした

Prometheusシステム監視入門

ほぼ読まずにスルー。AWSのCloudWatchやはてなさんのMackerelとの違いが気になる所。システム監視もゆくゆくは学んでいきたいので、その時がきたら思い出したい。

Ansible入門

こちらもほぼ読まずにスルー

VisualSudioCode入門

AzureのVisualSudioCodespacesが廃止されてGithub Codespaces一本になったのは知りませんでした。オンラインIDEは興味があるのでGithub Codespacesは少し試してみたいなー。

Vimの細道

Language Serverがインストールできるらしい。今のところVimでコーディングする予定がないけど、「こういうものもある」というのは覚えておきたい。

「変身」を読了

変身 (角川文庫)

変身 (角川文庫)

ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。

部屋で探し物をしていたとき、ふと目にとまって勢いで再読してしまいました。短編(中編?)小説なのでさっと読めるのはいいですね。

ザムザが変身してしまった「虫」とは。変身した意味とは。

僕は特に代わり映えのない解釈ですが、「醜く、役に立たないもの」を表しているのかなと思っています。 病気や事故といったこと後天的なことが原因で身体もしくは精神的になんらかの変化が起きてしまい、部屋の中に閉じこもってしまうような変化がおきてしまったことを「虫に変化した」と解釈すると、あまり違和感なく読むことができます。

執筆された1900年代初頭だと介護や福祉といった概念も希薄でしょうし、同じ家族といえど心身に大きな変化があればザムザの家族のような対応になってしまうのも無理はないのかなと思いました。

僕が考察するにはかなり難しい作品でありますが、定期的に読み返したくなる魅力のある作品だと思います。

ちなみにザムザが変化した虫の姿は作中では「馬糞虫=フンコロガシ?」として表現されているのですが、僕はどうしても手塚治虫の「ザムザ復活」の印象が大きすぎて芋虫の姿で読んでしまいます。
カフカは表紙をデザインするときに「絶対に虫の姿を描かないでくれ!」と注文したらしいですし、どういう姿の「虫」なのかは読者の想像にまかされているようですね。

皆さんはどんな「虫」を想像されましたか?

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2020年8月の振り返り

「入社後〇ヶ月の振り返り」という題名のパターンは終わりますが、振り返りは続けていこうと思います。
プライベートのことも少しずつ書いていこうかな。

プライベート

コロナ

相変わらずのコロナムードでせっかくのお盆休みもずっと自粛していました。 どこにも出かけないので3月くらいからiPhoneのアルバムがまったく増えてないことに気付いて少し寂しい気持ちになってます。

第二波も少しずつ落ち着いてきた気もするので、9月の4連休はどこかに遊びに行けたら…と思っています。

ゲーム

4月くらいからSwitchのゼルダの伝説ブレスオブザワイルドにハマっています。
まずはノーマルモードで1周目をクリアし、DLCを購入してマスターモード(所謂ハードモード)で2週目をはじめ、ようやくほぼクリア…という状態になって「パパ、これマスターモードになってないよ?」という子供からの指摘が。

2周目をマスターモードでプレイしてたつもりがノーマルモードのままだったようです。
とりあえず3周目をはじめましたが、さすがに少し飽きてきました…どこまで続くかな?

ダイエット

2019年の8月に82kgあった体重を3月に71kgまで落としていたのですが、あれよあれよという間に76kgまで戻ってしまいました。
夜ご飯を子供と食べることが増え、ガッツリ食べてしまったり、お昼もカップラーメンですましてしまうことも多く、摂取カロリーが明らかに増えています。

お昼ご飯を少し少なめにするなど、工夫していきたいと思います。

仕事

先月頑張ろうと思ったことの振り返り

タスク管理

今月は手を挙げすぎたせいかかなりタスクが溢れてしまいました。
締め切りに間に合わない!という事態はなんとか避けられましたが、それも先輩に巻き取って頂かないと恐らく間に合っていなかったですし、全体的にあまり良くなかったなと反省しています。 労働時間も長かったですし、来月からはバッファを見ながらタスクを調整していきたいと思います。

AWS関連

最近はAWSのセキュリティ関係の仕事に追われています。
改めて前職の時に自発的にAzureを触っていてよかったなぁと心から実感しています。VPCやリージョン、冗長化といった基本的な考え方はAzureと似たところも多いのでなんとかついていけてますが、あの時の自主勉強がなかったら今よりもっと知識不足でまわりに迷惑をかけていたかもしれません。
やっててよかった自主勉強。

fmty.hateblo.jp

今月頑張ること

案件管理

大きめのプロジェクト管理を担当することになりました。まずはこのプロジェクトを破綻することなく成功させることが当面のゴールだと思っています。
過去の経緯や仕様が把握できていないなど、動きづらいところもいくつかあるのですが、物事を「決める」「進める」ことを意識して頑張っていきたいです。

社外的な動き

営業とまではいきませんが、社外との交渉・折衝業務が増えてきました。
まわりを見れば自分より仕事ができる人ばかりでどんどん自信がなくなったりもしますが、自分の得意なこと、苦手なこと、求められていること、この3つを意識しながらバランスよく進めていきたいなぁと思っています。

勉強会資料

全然進んでない…
今月から本気出す←

掟上今日子の設計図 を読了

掟上今日子の設計図

掟上今日子の設計図

  • 作者:西尾 維新
  • 発売日: 2020/03/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

『學藝員9010』と称する人物が、ウェブ上に爆破予告を投稿した。猶予は9時間。火薬探知犬と盲導犬を左右に司どる爆弾処理班のエース『両犬あざな』こと扉井あざなが捜査を進める中、容疑者となった隠館厄介の依頼により、忘却探偵・掟上今日子も参戦するが――。
忘却探偵の最速の推理をもってしても、このタイムリミットには間に合わない!?

忘却探偵シリーズ12作目となる本書を読了しました。

この作品は「推理小説」とするには推理要素が希薄ですし、どうカテゴライズしたらいいものかいつも悩みます。
「推理活劇ラノベ」とでもいえばいいのかもしれません。(”活劇”に時代を感じますが、それ以外にうまく表現できない)

読み進めていけば「なるほど」と理解できる伏線もあるものの、後半になって犯人の身の上や動機などがいきなり開示される情報が多くて「推理小説」と言い切るには疑問を持ちます。 もちろんそれを何の前情報もなく解き明かす掟上さんのすごさや魅力に繋がっていくわけなのですが、

特に今作では解決方法が掟上さんらしからぬ少し人間味溢れるところ(でもそこを計算下においているすごさでもある)や、事件後の犯人に対しての人間ドラマが描かれるなど、これまでの過去作品とは少し違った印象を持ちました。

とはいえ次回作くらいから掟上さんの正体や過去が明らかになっていってもいいのでは・・・と期待したいところですが、西尾維新氏のことなので全く謎を解き明かさないままシリーズを進めて行く可能性もありますし。

掟上さんの過去につながるヒントも2、3作に1回くらい断片的に描かれる程度なので、そろそろガツンと掟上さんの過去について触れるシリーズがあってもいいのでは?と期待しています。

次回作は「五線譜」でその次が「伝言板」だそうです。掟上さんは少し古いネタを突っ込んでくるので、伝言板ではXYZネタが出そうな気もします。なんとなくですが。

あと、なかなか難しいかもしれませんが本作はぜひアニメ化してほしい作品のひとつでもあります(実写なんてなかった。実写なんてなかった。実写なんてなかった。)
「一度袖を通した服は二度と着ない」と言われている掟上さん。本作だけでも5回ほど衣装チェンジしてますし、ファッショナブルな衣装はアニメでこそ映えると思うんですよね。
今作でもウェイトレス姿に着替えてますし、ぜひアニメで見てみたいところ。
間違いなくCVは堀江由衣さんでしょうし、シャフト+西尾維新堀江由衣。これは見ないわけにはいきません。

アニメ化期待です。

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