- 作者: ジュールヴェルヌ,Jules Verne,村松潔
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/08/27
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 156回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
ずっと読もう読もうと思っていた海底二万里を読了。 幼い頃に絵本で読んだ気がするのですが、改めて。
沢山の翻訳本が出ている本作ですが、新潮文庫から最新の翻訳版が出ていたのを見つけて思わず購入してしまいました。
他の翻訳版を読んでいないので比較はできませんが、特にストレスなく読むことができました。オリジナル本に挿入されていたのと同じ挿絵もすべて収録されていたらしく、
有名な作品ですのでストーリー自体に目新しさはなかったものの、これが140年前に書かれた作品なのか!と何も驚かされました。 1870年といえば日本では明治3年。つい数年前まではお侍の時代だった頃の作品です。
当時の人からすれば、そもそも潜水艦自体が夢の乗り物だったことでしょうし、しかもそれが電気で動くわ世界一周するわ水深1万mまで潜るわ人間が潜水服を着て海底を遊泳するわとなると夢のまた夢。 当時の読者からすれば荒唐無稽な夢物語に見えたことでしょうね。
海洋における地理、歴史、海洋生物の描写は圧巻です。 作者はおろか人類が一度もみたことのないであろう深海の風景をこれでもか!と描写してくれます。
もちろん140年前のことですので科学的な描写には間違いなどもあるようですが、読んでいる限りではほとんど気になりませんでした。 むしろ魚の説明が多すぎて、後半はつい飛ばしながら読んでしまったくらいです。
一番大きな違和感は、海底から棚氷の下を潜り抜けて南極点に到達するシーンですかね。 今だからこそ、南極=大陸と「知って」いる訳ですが、、当時は南極内部は海だと信じられていたようです。 (南極点初到達は1911年と本作発表の40年後にあたります)
次に読む時は地球儀にまち針を刺しながらノーチラス号と一緒に旅をしてみたいと思いますw