- 作者: 筒井康隆,貞本義行
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/05/25
- メディア: 文庫
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何度も映像化された日本SF界の不朽の名作…なはずなんですが、実は初読。筒井康隆作品も初。実写はおろかアニメ化された映画すら見たことがないという何もかも初めてづくしな今作でした。
(筒井氏は関西ローカルにでてるおっさんという印象しかありません)
「アニメやドラマになるくらいだから、さぞ重厚なストーリーやトリックがあるんだろう」と身構えて読み始めたのですが、まさか短編小説だとは夢にも思いませんでした。読んでいる途中で思わず目次をチェックしてしまいましたもん。
読んだ感想としては、タイトル作の「時をかける少女」や他2作もそうなのですが「普通」の作品だったなぁというのが正直なところ。ただ、本作の一番重要なポイントがこの「普通」という所にあるのかも。
今でこそタイムスリップや心的外傷による記憶障害などはありふれた手法になっていますが、この作品が発表された昭和50年当初では斬新な手法だったのかもしれません。
「この作品があったからこそ、今のジャンルがある」
そういう作品の読後感は得てして「普通」だったりしますしね。この作品の偉大さを理解するには僕はまだまだ知識が足りないようです。精進精進。
この「時かけ」は青少年向けジュブナイル小説という事で筒井作品の中では異例の作品と聞きました。他には「パプリカ」や「旅のラゴス」が気になる所。また次の機会に読んでみようと思います。